Subaru Impreza 22B-STi (1998) | WRC優勝の遺伝子を受け継ぐ至高のスポーツクーペ

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1998年3月、スバルテクニカインターナショナル(STi)は、1997年のWRCマニュファクチャラーズタイトル3連覇を記念し、400台限定の特別モデル『Impreza 22B-STi』を発表した。このモデルは、WRC参戦車『Impreza World Rally Car ’97』のロードバージョンとして開発され、その圧倒的な走行性能と迫力あるデザインで多くのファンを魅了した。

圧倒的なパフォーマンスとチューニング技術

22B-STiは、WRCマシンのフィーリングを可能な限り忠実に再現するため、2.2LのEJ22改BOXER TURBOエンジンを搭載。排気量を2212ccにボアアップし、最高出力は自主規制値の280psに抑えられたが、2800-5200rpmでフラットなトルクを発生し、7900rpmまでスムーズに吹け上がる特性を備えている。クロスレシオのトランスミッションには強化材質が使用され、各ギアにはスペシャルハードショット処理が施された。さらに、ツインプレートクラッチを組み合わせることで、高出力・高トルクに対応し、よりダイレクトなドライビングフィールを実現している。

サスペンションには、WRCマシン同様に専用チューンされたビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製スプリングを採用。足元には、ゴールド塗装のBBS製17インチ鍛造アルミホイールに235/40R17サイズのハイグリップタイヤを装着し、優れたコーナリング性能と安定性を確保した。ステアリングには13:1のスーパークイックステアリングギアボックスを採用し、WRカーのレスポンスを公道で楽しめる仕様となっている。

WRCマシンを彷彿とさせるダイナミックなエクステリア

22B-STiのエクステリアは、WRCマシン『Impreza World Rally Car ’97』を忠実に再現。大きく張り出した前後ブリスターフェンダー、フロントグリル一体型バンパー、ブレースグリル付きアルミ製ボンネット、サイドスカート、大型リアスポイラーを装備し、視覚的にも圧倒的な存在感を放つ。ボディカラーは、スバルのモータースポーツを象徴する「ソニックブルーマイカ」に統一され、レーシングスピリットを色濃く反映している。

限定400台、今なお語り継がれる伝説

『Impreza 22B-STi』は、スバルのWRCにおける輝かしい歴史を象徴する1台であり、発売当時からその希少性と性能の高さで話題を呼んだ。発売開始直後に完売し、現在では市場価値が高騰し、コレクターズアイテムとしても非常に人気がある。

単なる限定車ではなく、WRCのDNAを色濃く受け継ぎ、ドライビングプレジャーと実用性を高次元で両立させたスポーツクーペ。それが『Impreza 22B-STi』である。