史上最速のスバル WRX「プロジェクト・ミッドナイト」 | WRX “Project Midnight” by Subaru Motorsports USA

言語切り替え
AD

【2024年】グッドウッドで衝撃デビュー:WRX「プロジェクト・ミッドナイト」

2024年7月11〜14日に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて、スバルモータースポーツUSAは衝撃の新型マシン「Project Midnight(プロジェクト・ミッドナイト)」を初公開した。
このマシンは、2020年の「Gymkhana 2020」で話題をさらった「Airslayer」をルーツに持ちつつ、よりストイックに“スピード”のみに特化して設計された最新鋭のWRXレーシングカーである。

「Airslayer」はジャンプ、ドリフト、ヒルクライムなど多用途に対応するマシンだったが、「Project Midnight」はその進化形として、純粋なオンロード・パフォーマンスとタイムアタック性能を追求して開発された。設計にはスバルとVermont SportsCarの共同開発チームが関与し、モータースポーツで培った知見が惜しみなく注ぎ込まれている。

670馬力の暴れ馬:スペック詳細

プロジェクト・ミッドナイトに搭載されるパワーユニットは、2.0リッター水平対向4気筒ターボエンジン。最大出力670馬力、最大トルク680 lb-ft(約920Nm)を誇り、9,500rpmまで一気に吹け上がる。さらに、ボンネットから直接排気される特製エキゾーストが、走行中に激しいフレイムショットを演出する。

サスペンションはターマック(舗装路)専用設計で、グリップと安定性を最大化。足元には、OZ Racing製18×11インチのマグネシウムホイールと、Yokohama製ADVANスリックタイヤ(280/650R18)を装着し、路面に最大限のパフォーマンスを伝える。

軽量化と空力の極み

カーボンファイバー製のワイドボディと徹底した軽量化により、車両重量はわずか2,469ポンド(約1,120kg)。これは「Airslayer」より約300ポンド軽く、市販WRXより実に1,000ポンド(約453kg)も軽い。

加えて、WRX ARA24ラリーカーに装着されている巨大なリアウイングを拡大した専用空力パーツを装備し、高速域でも安定したダウンフォースを確保している。

スコット・スピードのコメント:「このマシンはRXとスポーツカーの融合体」

ステアリングを握るのは、元F1ドライバーであり、ラリークロスのチャンピオンでもあるスコット・スピード。彼は以下のように語る。

「このクルマはラリークロスのDNAを感じさせつつ、驚異的なグリップとオンロード性能を併せ持つ。まさにRXマシンとスポーツカーのハイブリッドで、ドライブする楽しさが詰まっている。」

2024年のグッドウッドでは、プロジェクト・ミッドナイトが内燃機関車両として最速タイムを記録。EV勢と互角に戦うその姿は、観客の度肝を抜いた。


【2025年】グッドウッド再登場:更なる高みへ

2025年、Project Midnightはふたたびグッドウッドに帰還。前回の記録を更新すべく、再びヒルクライムに挑戦する。テーマは「F1 75周年」で、伝説的マシンが揃う中、WRXの咆哮は一際強烈なインパクトを放つ。

再びスコット・スピードがドライブを担当し、「このマシンを再び走らせられるのは本当に特別なこと。あのヒルを攻めるのが楽しみだ」とコメント。ボンネットから炎を吹きながら急勾配を駆け上がる姿は、今年もグッドウッドの名物となるだろう。

コリン・マクレーへのオマージュと未来への継承

2025年は、スバルにとって特別な年でもある。伝説のラリードライバー、コリン・マクレーがWRCチャンピオンを獲得してから30年を迎え、多くの彼の愛車も展示される予定だ。

彼の遺産を受け継ぎながら、スバルは現代のテクノロジーと情熱で再び観客の心を打つ。プロジェクト・ミッドナイトは、その象徴的存在として、モータースポーツの未来を切り拓く。