Courtesy RM Sotheby’s
2006年製のメルセデス・ベンツ SLR マクラーレン・エディションは、輝かしい伝統、独自性、そしてMcLaren Special Operations(MSO)による最先端のアップグレードが融合した希少なモデルである。本車両は2005年9月に日本市場向けとして初代オーナーに納車され、その後2018年に大幅な改造を受けた。
希少性と独自性
SLRシリーズの中でも、MSOによって「マクラーレン・エディション」にアップグレードされたモデルは世界にわずか25台しか存在しない。その希少性は、あのスターリング・モス仕様の3倍に及ぶ。アップグレード費用は138万香港ドルを超え、外見だけでなくパフォーマンス面でも一段と磨きがかかったモデルである。
マクラーレン・エディションの主な改良点
MSOは、SLRマクラーレンの製造経験やオーナーからのフィードバックをもとに、徹底的なアップグレードパッケージを開発した。主な改良点は以下の通り。
- 走行性能と乗り心地の向上: 新設計のスプリングとダンパーを採用し、車高を10ミリ低下させることで、鋭いハンドリングとよりダイナミックな走行体験を実現した。
- 空力性能の改善: カーボン・ケブラー製の新しいフロントフロア、レースカー風のフロントホイールアーチベント、大型化されたリアディフューザー、拡大されたエアブレーキを採用し、SLR 722エディションと比較してダウンフォースを15%向上させた。さらに、排気口上部とフロントバンパーに設けられたインテークは、マクラーレンのロゴを連想させるデザインとなっている。
- エキゾーストシステムの軽量化: エンジン自体の改良は行われなかったが、軽量化されたセラミックコーティングのエキゾーストシステムが搭載され、迫力ある排気音をさらに強調している。
この車両の独自仕様
本車両は、光の加減によってほとんど黒に見えるメタリックレッドの塗装が特徴的で、力強さとミステリアスな印象を与える。また、722 S仕様のホイール、スモーク加工されたライト、ブラックアルカンターラの内装に赤いステッチとMSOのロゴがあしらわれたヘッドレスト、さらにアルカンターラ仕様のステアリングホイールなど、数々の特別装備が施されている。
コレクションにふさわしい傑作
このモデルは、2019年にアップグレードが完了し、日本に戻された。それ以降も日本国内で保管されている。限定生産数、洗練されたデザイン、進化したパフォーマンスを備えたこのマクラーレン・エディションは、現代のスーパーカーコレクションにおいてひと際輝く存在である。
この車両は、RMサザビーズのPrivate Saleにて、参考価格$700,000 USDにて出品されている。