2008年式ルノー・メガーヌRS──フレンチホットハッチの頂点を極めた一台と、27歳オーナーが語る魅力

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2代目ルノー・メガーヌ X84型:革新性と実用性を両立した名作

2002年から2008年まで生産された2代目ルノー・メガーヌ X84型は、「退屈へのレジスタンス」という明確なコンセプトのもと開発されたモデルである。垂直に切り立ったリアウィンドウや、突き出すようなリアゲートパネルなど、アヴァンタイムやヴェルサティスに通じる大胆なデザイン処理が特徴的で、当時のCセグメントでは異彩を放つ存在となった。

車名のタイポグラフィも「Megane」からギリシャ文字風の「MEGΛNE」へと変更。デザイン面だけでなく、2003年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー受賞やユーロNCAP最高評価の5つ星獲得が、その安全性と実用性、そして信頼性を裏付けている。結果としてヨーロッパ市場でベストセラーの地位を築いた。

メガーヌRS:ルノー・スポールが手がけた高性能フラッグシップ

2004年に登場したルノー・メガーヌRS(RenaultSport)は、ディエップ工場で生産されるルノーの高性能ホットハッチである。最高出力224psを発生する2.0Lツインスクロールターボ、トルクステアを抑えるDASS付きフロントサスペンション、ブレンボ製4ポットキャリパーなど、走行性能を徹底的に追求したメカニズムが投入されている。

フロントの大開口バンパーやリアスポイラーなどのエアロ処理は見た目だけでなく性能にも直結し、スポーツ走行でこそ本領を発揮する。

27歳のメガーヌRSオーナーが語る「フレンチホットハッチの真価」

今回インタビューに応じてくれたのは、27歳の会社員・Kaiさん。芸術学部写真学科出身という背景を持ち、旅行・アート鑑賞・日本酒・ファッションなど幅広い趣味を有する。クルマ遍歴はランチア・カッパ、ローバーミニを経て、現在のメガーヌRSへと続く。

購入のきっかけ──「九州旅行を機に選んだ最適解」

KaiさんがメガーヌRSを購入したのは2023年4月。
当時、友人と九州旅行を計画しており、それまで乗っていたクラシックミニでは長距離移動が厳しいと判断。高速移動の安定性と山道での楽しさの両立、そして昔から惹かれていたデザイン性。そのすべてを満たすクルマとして、このメガーヌRSが選ばれたという。

メガーヌRSの魅力──「高速での安定感と峠での軽快さ」

Kaiさんが語るメガーヌRSの魅力は明確である。

  • ルノーらしい直進安定性
  • 峠で見せる軽快なハンドリング
  • 余裕あるターボエンジン
  • 長時間の運転でも疲れない良質なシート
  • そして、エッジの効いた個性的なデザイン

高速では重厚に、山道では軽やかに走る二面性こそ、メガーヌRSの真骨頂と言えるだろう。

維持で苦労する点──「補給部品の高騰と廃番化」

ネックとなるのは補給部品の高価格と、年式ゆえの廃番部品の増加。とはいえ、フルノーマルで楽しむKaiさんにとって、これも含めて愛着の一部となっている。

普段の使い方──「街乗りからロングツーリングまで」

基本は休日の街乗りだが、北は秋田から南は熊本まで走破するなど、ロングツーリングにも活躍。
メガーヌRSがライフスタイルにしっかり寄り添っていることが伝わってくる。

個性と性能を両立した一台が、オーナーの世界を広げる

2008年式ルノー・メガーヌRSは、デザインの独創性とスポーツ性能を高次元で両立したフレンチホットハッチの名車である。Kaiさんの言葉からも分かる通り、このクルマはただ速いだけではない。日常から旅まで、オーナーの人生に豊かな体験をもたらす存在だ。


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