スズキ株式会社は、2025年8月に開催された「第46回コカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース(通称:鈴鹿8耐)」の会場において、スーパースポーツバイクの最新モデル「GSX-R1000」および「GSX-R1000R」を世界初公開した。鈴鹿サーキットGPスクエアに設けられたスズキブースでは、来場者の注目を一身に集めた。
今回の発表は、同社の象徴とも言える「GSX-R」シリーズの誕生から40周年という節目を祝う意味合いも強く、新たな時代への進化を示す重要なマイルストーンとなっている。
GSX-Rシリーズ、40年の軌跡とレースでの輝かしい実績

1985年に登場した初代「GSX-R750」から始まり、GSX-Rシリーズは2025年で40周年を迎えた。これまでに120万台以上を生産し、世界耐久選手権(EWC)では20回のタイトル獲得という圧倒的な戦績を誇る。今回のモデルチェンジは、その歴史にふさわしい集大成ともいえる内容となっている。
最新技術を搭載したエンジンと電子制御システム
新型「GSX-R1000/R」は、排ガス・騒音規制に適合しながらも高性能を維持すべく、エンジンの内部部品を全面的に刷新。バルブやピストン、クランクシャフトなどの見直しにより、耐久性とレスポンスの両立が図られている。
さらに、IMUや車輪速センサーと連動する新しい電子制御「スマートTLRシステム」を搭載。コーナリング中のトラクション制御や加速時のリフト抑制が一層スムーズになった。
空力性能と車体制御の進化
カーボンウィングレットを装着可能としたフロントカウルは、2024年の鈴鹿8耐マシンと同仕様。これによりダウンフォースが強化され、立ち上がり加速時の安定性が向上した。加えて、従来から定評のあるツインスパーアルミフレームを継続採用し、車体剛性と軽量性を高次元で両立している。
40周年記念のスペシャルカラーとディテール
本モデルでは、GSX-Rシリーズ40周年を記念して特別仕様のカラーリングが設定された。
- パールビガーブルー/パールテックホワイト
- キャンディダーリングレッド/パールテックホワイト
- パールイグナイトイエロー/メタリックマットステラーブルー



さらに、タンク上部や車体側面には「40周年記念グラフィック」が施され、シートやマフラーには「GSX-R」ロゴがあしらわれている。これらのデザインは、記念モデルにふさわしい特別感を演出している。