Courtesy RM Sotheby’s
2025年8月15日から16日にかけて米国モントレーで開催されたRMサザビーズのオークションにおいて、1993年製のフェラーリ F40 LM by ミケロットが1,100万5,000ドル(約16億円)で落札された。本車両は全19台のみ製作されたうちの14台目であり、特に「GTC」仕様に仕上げられた希少な個体である。

760馬力を誇る最強のF40
F40 LMは、1987年に発表されたロードカーF40をベースに、フェラーリ公認のもと、名門ミケロットがル・マン参戦を視野に入れて開発したコンペティション仕様である。
特にGTC仕様ではエンジンが大幅に改良され、最大出力760馬力を発揮。オリジナルの478馬力から実に約300馬力の向上を遂げた。加えて、空力デザインや軽量化、強化ブレーキなどが施され、F40シリーズの中でも最も過激な存在として知られている。

シャシーナンバー「95448」の来歴
今回落札された個体(シャシーナンバー95448)は、1992年12月に完成し、スイスのコレクター、ヴァルター・ハグマン氏に納車された。その後、複数のオーナーを経て、ヨーロッパ各地や米国のイベントに参加し、2009年にはフェラーリ・クラシケの認証を取得している。
近年では、2025年にフロリダで開催された「モダマイアミ・コンクール」でクラス優勝を果たし、直前には67,000ドル以上をかけた整備も実施されている。
コレクターズアイテムとしての価値
F40 LMは、19台のみの生産台数に加え、その過激なスペックと豊富な記録に裏付けられた希少性から、世界中のフェラーリコレクターにとって垂涎のモデルである。今回の落札価格は、その存在価値と市場での需要を改めて証明する結果となった。