Jaguar XJR-9 LM

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ジャガーXJR-9は、ジャガーがFIAスポーツカー世界選手権(グループC規定)およびIMSA GT選手権用に製作したスポーツプロトタイプレースカーで、1988年のデイトナ24時間レースでデビューした。

XJR-8の設計を発展させ、トニー・サウスゲートが設計、トム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)が製造したXJR-9は、市販モデルのジャガーXJSで使用されている5.3リッターエンジンをベースにした7.0リッターV型12気筒エンジンを搭載している。また、ル・マン24時間レースのために開発されたXJR-9のバリエーションモデル「XJR-9 LM」は、ル・マン24時間レースで使用されるサルト・サーキットの最も長いストレート「ミュルザンヌ・ストレート」での高い直線速度が要求されるため、空気抵抗を減らすための低ドラッグ仕様の空力パッケージが装備された。

1988年のデイトナ24時間レースにてデビューしたカストロールスポンサーのXJR-9は、このデビュー戦で総合優勝を果たしたが、その後のIMSA GTPでは勝ち星に恵まれず、デビュー戦と最終戦での勝利に留まった。一方同年ののWSPC(世界スポーツプロトタイプカー選手権)では、シルクカットスポンサーのXJR-9がル・マン24時間レースでの優勝を含む全11戦中6勝を挙げ、チームタイトルとドライバーズタイトル(マーティン・ブランドル)のダブルタイトルを獲得した。この年のル・マンでTWRのジャガーXJR-9 LMがポルシェワークスの962Cに競り勝ち優勝したことで、前年まで7連勝していたポルシェのル・マンでの連勝記録を止めた。同時に、ジャガーにとっては1957年以来のル・マンでの勝利となった。