グッドウッド・フェスティバルで世界初公開
マセラティは2025年7月10日、イギリス・ウェストサセックスのサウスダウンズ国立公園で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて、新型スーパースポーツ「MCPURA(エムシーピュラ)」を世界初披露した。クーペとコンバーチブル「Cielo(チェーロ)」の2バージョンが用意され、トライデントブランドのパフォーマンス精神を凝縮したモデルとして注目を集めた。
MC20の進化形として誕生
MCPURAは、2020年に登場したMC20をベースにさらなる進化を遂げたモデルである。外装デザイン、素材、内装仕上げに至るまで洗練が図られ、心臓部には変わらずマセラティ製のV6「Nettuno」エンジン(630CV)を搭載。このエンジンはF1由来のプレチャンバー燃焼システムを採用し、マセラティが独自に開発・特許取得したものである。
デザインとカスタマイズ性
今回の発表では、「Ai Aqua Rainbow(アイ・アクア・レインボー)」と名付けられた鮮やかなボディカラーを採用。太陽の下で虹色に変化するこの特別色は、クーペにはマット仕上げ、Cieloにはグロス仕上げが施されている。トライデントやホイールエンブレムにはマゼンタ×ブルーミカを使用し、スポーティかつ上品な個性を演出している。
インテリアにはアイスカラーのアルカンターラシートを採用。レーザー加工によりトライデントが立体的に浮かび上がり、視覚と触覚の双方で未来的な印象を与える仕様となっている。
イタリアン・ラグジュアリーの象徴としてのカラー展開
カラーパレットには、Maserati Fuoriserie(フオリセリエ)プログラムによる30種類以上の特注色に加え、新たに「デビルオレンジ」「ヴェルデ・ロワイヤル」「ナイト・インタラクション」といったイタリアらしい個性を持つ3色が追加された。これらはMCPURAのラグジュアリー性とブランドの象徴性をさらに際立たせる。
MCPURAの4つの特徴
MCPURAは、以下の4つの特徴を備える:
- カーボンファイバー製モノコック:軽量かつ高剛性。車両重量は1,500kg未満。
- V6 Nettunoエンジン:630CV/7500rpm、720Nm/3000rpm。出力重量比は2.33kg/CV。
- バタフライドア:開閉時にカーボンシャシーが現れる構造。
- PDLCガラス製ルーフ(Cielo):透明⇄不透明の切替が1秒で可能。
モデナで完全生産、伝統と革新の融合
生産は、マセラティの本拠地であるモデナのヴィアーレ・チーロ・メノッティ工場で行われる。ここではエンジン製造から最終組み立て、さらにはFuoriserieによるパーソナライズまでが完結し、まさに“100%メイド・イン・モデナ”のクラフトマンシップが息づいている。
COOのサント・フィチリ氏は「MCPURAによって、マセラティは再びその本来あるべき地位に戻る」と語り、その意気込みを表明した。