ポルシェ RUF 3.4 CR (1986)、日本に現存する希少な自然吸気モデル

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Courtesy RM Sotheby’s

1986年製のポルシェ RUF 3.4 CRが、RMサザビーズのプライベートセールにて約15万ドル(約2,200万円)で販売リストに掲載されている。本車両は千葉県に所在し、日本におけるRUF正規代理店であったイシダエンジニアリングによってコンバートされた、ドイツ市場仕様(C00)の911をベースにした希少な自然吸気モデルである。

RUF 3.4 CRの誕生背景

1980年代半ば、RUF Automobileは既に独自のポルシェチューナーとして確固たる地位を築き始めていた。1977年に初の改造911ターボを完成させた後、1978年には初の自然吸気モデル「SCR」を発表。ターボモデルが象徴的存在であった一方、自然吸気モデルはより手の届きやすい価格でブランドの認知を拡大させた。本車両は、その初期自然吸気モデルの系譜に連なる一台である。

詳細な来歴

ベースとなる911は1985年12月にポルシェで製造され、その後RUFで3.4 CR仕様に改造。1986年11月に大阪のリース会社名義で日本に初登録されて以降、京都(1990年)、東京(1995年〜2009年)、静岡県、名古屋(2014年)、松本市、浜松市と国内各地を渡り歩いた。現オーナーは2019年に購入し、以降約1万3,000kmを走行。総走行距離は9万8,300km弱である。

メンテナンス履歴

現オーナーの保有期間中、浜松市のポルシェ専門店にて定期的な整備が行われてきた。2023年9月(93,624km時)には最新の点検が実施され、2022年8月(87,520km時)には燃料ポンプとタンクを交換。2019年(81,632km時)にはスターターモーターを交換している。

走らせてこそ輝く希少なRUF

RUF 3.4 CRは、その希少性と走行性能から、コレクションとしての価値はもちろん、オープンロードでの走行を楽しむための一台としても魅力的である。誕生以来、日常的に走らせることを前提に作られたこのモデルは、まさに「走らせてこそ価値がある」RUFの哲学を体現している。