先鋭的なストラトスに替わるラリーウェポンとして、フィアットグループが次期FXに選んだのはボクシーなファミリーセダン、フィアット131だった。開発を担当したのはアバルト。同社のテクニカル・チーフ、コルッチが指揮し、テストドライバーはジョルジョ・ピアンタが務めた。世界ラリー選手権への出場は76年シーズンの途中から。4バルブヘッドを持つとは言え2ℓ4気筒をフロントに搭載し、後輪駆動するオーソドックスなレイアウトながら、アバルトの魔法をかけられた131は素晴らしい実力を発揮。77年、78年、80年の3度に亘りフィアットにメイクスタイトルをもたらす等大暴れした。展示者は77年のモンテカルロラリーで名手J-C.アンドリュー / “ビジェ”組が2位に導いたマシーンそのものである。
Automobile Council 2021
Fiat 131 Abarth Rally
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