歴史的FJ60に現代パワートレインを融合
トヨタは2025年SEMAショーにおいて、「ランドクルーザーFJ60 ターボ・トレイル・クルーザー」を公開した。本モデルは、1980年代の名車FJ60のクラシックな魅力と、現行トヨタの最新パフォーマンス技術を融合した特別なコンセプトモデルである。象徴的なデザインを受け継ぎながら、現代のi-FORCE 3.4L V6ツインターボエンジンを搭載し、伝統と革新を完璧に融合させた「ネオ・クラシック」の新境地を切り開く。
i-FORCE V6が生む圧倒的パフォーマンス
搭載されるi-FORCE 3.4LツインターボV6は、最大出力389hp、最大トルク479lb-ft(約650Nm)を発生。オリジナルの直列6気筒エンジンと比較して出力は約2倍となり、静粛性や燃費性能、排出ガス特性も大幅に改善されている。ツインターボによる即時レスポンスとリニアなトルクカーブが、FJ60にこれまでにないモダンな走りをもたらす。
「純正のように見える」ことへのこだわり
一般的なレストモッドと一線を画すのは、「まるで工場出荷時のように見える」仕上がりを徹底追求している点である。ボディ構造を一切損なわず、専用エンジンマウントやアダプタープレート、ワイヤーハーネスなどを新設計。オリジナルの5速ミッションとの接続を実現し、純正クオリティの信頼性と一体感を実現した。
クラシックデザインとオフロード性能の調和
外装は1986年当時のトヨタ純正カラー「シルバー147」をPPGで再現。35インチタイヤと1.5インチリフトアップを施しつつ、フロントシャックルリバースによる安定感を確保。インテリアにはJBL製オーディオシステムを控えめに装備し、クラシックな雰囲気を保ちながら現代的な快適性をプラスしている。
トヨタのマルチパスウェイ戦略を象徴
この「ターボ・トレイル・クルーザー」は、トヨタが掲げる“マルチパスウェイ戦略”の一端を担うコンセプトモデルでもある。ハイブリッド、PHEV、BEV、FCVと並び、ガソリンエンジンの新たな可能性を提示し、多様なパワートレイン選択肢の中でランドクルーザーのDNAを未来へとつなげている。







