2024年1月18日、カスタム・モーターサイクル界で著名なポール・ヤッフェが、BMW R 18 Transcontinentalを独自にカスタマイズした最新の傑作を発表した。デザイン能力の高さで知られるヤッフェは、1991年から著名なクリエイターとして活躍し、数々の賞を受賞、スタージスの殿堂入りを果たしている。彼の最新プロジェクトは、クラシックなホットロッドの美学とBMW独特のエッセンスを融合させたもので、デザイナーとしてのヤッフェの卓越した才能が発揮されている。
カスタマイズに取りかかる前に、ヤッフェはBMW R 18 Transcontinentalを熟知するため、スタージスまでの往復2600マイルを含む、アメリカ横断3800マイルを走破した。目標は、BMWのアイデンティティを保ちつつ、ユニークなデザイン要素を取り入れたビッグホイール・バガーを作ることだった。ヤッフェは無垢のアルミブロックから切り出した26インチ×5.5インチのフロントホイールと、ハンドメイドの180mm幅のフロントタイヤを依頼した。フレームは新しいホイールに対応するようストレッチとレーキ加工が施され、最適なハンドリングのために特別なトリプルツリーが設計された。
50年代を象徴するマーキュリーのリード・ソリからインスピレーションを受け、カスタマイズではいくつかのオンリーワン部品を製作し、既存のR 18の要素を変更した。フロントフェンダーは手作りで、オリジナルのフェアリングは新しいフロントホイールとシームレスに一体化するように再構築された。ラジエターを隠すためにユニークなチン・スポイラーが開発され、全体のデザインを引き立てるためにヤッホー・モンキー・バーが製作された。
オリジナルのサドルバッグのリッド、ラッチ、スピーカーを維持するために、新しい「スキン」セットが製作され、バッグに独特の伸びやかなプロフィールを与えている。リアフェンダーは、新しいサドルバッグとシームレスにマッチするように延長された。ヤッフェはオリジナルのR 18テールライトをハンドメイドのフィラーパネルにアレンジし、クラシックなホットロッドスタイルのライセンスプレートエリアをフェンダーに組み込んだ。オリジナルのサイドカバーは、その形状を維持しながらより広い面積をカバーするために引き伸ばされ、バッグへの視覚的な流れが強化された。
クラシックなLead Sledの美学に忠実に、ヤッフェはエアサスペンションとサイドパイプを優先させた。洗練されたエアタンクと配給システムが設計され、サドルバッグの両サイドの下には重要なコンポーネントを収納する専用フレームが設けられた。サイドパイプはクラシックなボクサー・ヘッドパイプを踏襲し、触媒コンバーターを取り外して特注の穴あきハイフロー・バッフル・システムを採用した。これにより、制限の多い排ガスシステムを置き換えただけでなく、最適なパフォーマンスを発揮するためのバックプレッシャーも確保した。精密に作られた3ステップ・マフラー・システムとワイドオープン・メガホンが導入され、クラシックなホットロッド・サウンドが実現した。
コスメティックにフォーカスを移したヤッフェは、グラフィックを目立たせることなくクラシックなホットロッドらしさを追求し、バイクのエレガントなスタンスとプロフィールを強調した。チームは、加工されたボディパネルを完成させ、ガラスのような仕上げを実現した。バイクは時代を超越したディープグロスブラックで仕上げられ、クラシックオックスのブラッドレッド・インテリアがコントラストを効かせた。内装と塗装は入念に行われ、シンプルさと魅力のバランスがとれた見事な仕上がりとなった。
ポール・ヤッフェによるBMW R 18 Transcontinentalのカスタマイズは、クラシックなホットロッドの美学とBMWの象徴的なエッセンスを融合させた、彼の卓越したデザインの証である。このプロジェクトでは、ユニークなフロント・ホイールから入念に作り込まれたボディ・コンポーネント、クラシックなLead Sledの特徴の統合に至るまで、細部に至るまで細心の注意が払われている。その結果、ヤッフェのビジョンとホットロッド・デザインの時代を超越した魅力の両方に敬意を表した、唯一無二のモーターサイクルが誕生した。