2021年11月26日にルノーとTheArsenaleが共同で発表した空飛ぶショーカー「AIR4」。
ルノーの象徴的なモデルであるRenault 4(ルノー・4)の60周年を記念したセレブレーションイヤーの活動の締めくくりとして、ルノーは革新的なデザインハブであるTheArsenaleと協力し、ルノー・4をモチーフに、このモデルを再解釈した未来的な空飛ぶショーカー「AIR4」を制作した。
オリジナルのルノー・4は、1961年から1992年にかけて製造され、100カ国以上で800万台以上を販売した、シンプルで効率的、かつ多用途なクルマ。
AIR4には車輪はなく、その代わりに2枚羽根のプロペラを4枚、車体の各コーナーに装備している。シャーシはロータフレームの中央にあり、ドライバーは、前面にヒンジが付いたルノー4のシェルを持ち上げることで、実用的なキャビンにアクセスし、座ることができる。
デザイン面では、TheArsenaleによって現代の自動車のデザイン言語からかけ離れた、レトロなアイコンに再解釈を加える結果となった。カーボンファイバーで作られた車体は、オリジナルのルノー・4と同じラインと質量を保ちながら、新たなダイナミックさを表現している。推力や揚力といった新しい概念を取り入れるため、剛性は完全に見直され、何時間もかけて計算とテストが行われた。人工知能を用いたジェネレーティブデザインの手法を用い、テラバイト単位のデータを検証することで、最初の実戦テストを開始する前からデザイナーのアイデアを改善し、微調整を行うことが可能となった。
技術面では、22,000mAhのリチウムポリメル・バッテリー(総容量90,000mAh)を搭載し、水平方向の最高速度は93.6 km/hで、飛行中の傾斜角度は45°、最大傾斜角度は70°。700mの高さまで飛ぶことができ、離陸速度は50.4 km/h(安全上の理由から14.4 km/hに抑えられてる)、着陸速度は10.8 km/h。さらに、最大380kgの推力(プロペラ1枚あたり95kg)を発揮する。
また、AIR4はコートダジュールのソフィア・アンティポリスにあるヨーロッパ初のテクノロジーパークの中心で構想、設計、エンジニアリング、組み立てが行われ、すべての工程がフランス国内で行われている。
TheArsenale「ROAD TO AIR」
TheArsenaleは自動車文化のアイコンは永遠であるという前提に立ち、AIR4は、未来の交通網を空に見立てたROAD TO AIR部門の最初のプロダクトとなった。このショーカーは、TheArsenaleのCEO兼創設者であるパトリス・メイニャン(Patrice Meignan)が、感動を呼び起こし、ブランドのアイデンティティを確立し、喜びを提供する新しいタイプのクルマを作ろうと考案したもので、彼は次のように語っている。
「私は人生をモビリティへの情熱に捧げ、動く世界のあらゆる側面を絶えず探求しています。25年にわたる前向きな研究の結果、自動車文化のアイコンは地上でも空中でも永遠であると信じています。ルノー4は、60年にわたり、普通の人たちによって、非日常を演出してきました。ルノー・4は、冒険の象徴であり、シンプルで、実用的で、便利で、レトロでありながらモダンなクルマです。ほとんどのドライバーは、このクルマがいつもと違う旅をさせてくれる、冒険をさせてくれる、と言うでしょう。この「いつもと違う旅」が、私と私のチームを奮い立たせてくれました。TheArsenaleのAIR4によって、ルノー4はこれまでで最も大きな冒険のひとつになる準備ができています。」