2026年、角田裕毅はレッドブルおよびレーシングブルズの「リザーブドライバー」としてF1シーズンを迎えた。2021年から5シーズンにわたりレギュラーシートを守り続けた彼だが、2026年はシートを喪失。しかし、シーズン中盤には見事な代役出場を果たし、再びその実力を証明している。
F1におけるリザーブドライバーの報酬体系を紐解きながら、2026年現在の角田裕毅の年収・年俸、そしてこれまでに築き上げた総資産について解説する。
2026年 角田裕毅の年収・年俸の全貌
2026年の角田裕毅の年収は、リザーブドライバーとしての「基本給(リテーナー)」と、レースに出場した際に発生する「コールアップ・ペイ(代役参戦報酬)」の2つの柱で構成されている。
リザーブドライバーとしての基本給(リテーナー)
F1のサラリー事情に詳しい『F1 Salaries』の指標によると、2026年の角田のリザーブドライバーとしての基本給は40万〜80万ドル(約6,000万〜1億2,000万円)と推定されている。
2025年にレッドブルのレギュラードライバーとして得ていた推定年俸200万ドルからは大幅なダウンとなるが、かつてグランプリを戦った経験者としては最高クラスの待遇である。新人のリアム・ローソンやオリバー・ベアマンが得ているエントリーレベルの年俸(約100万ドル)の40%〜80%に相当し、角田自身が2021年にアルファタウリでデビューした際の年俸(約50万ドル)に近い水準だ。
代役参戦による追加報酬(コールアップ・ペイ)
F1のリザーブドライバーは「待機」しているだけでは追加報酬は発生しない。しかし、実際にグランプリでステアリングを握れば、1戦あたり約4万2,000ドルの追加報酬が発生する。
2026年、角田はリザーブドライバーの中で唯一この追加報酬を手にしている。レーシングブルズでの3戦の出場により、約12万5,000ドル(約1,800万円)を獲得した。
2026年の推定総収入額
基本給(40万〜80万ドル)と3戦分の出場給(12万5,000ドル)を合算すると、角田裕毅の2026年の総収入は52万5,000ドル〜92万5,000ドル(約7,800万〜1億3,800万円)のレンジに着地する見込みだ。
角田裕毅の総資産額とこれまでの収入推移
総資産は推定500万ドル(約7億5,000万円)
海外メディア『RacingNews365』は、2025年時点での角田の総資産を500万ドル(約7億5,000万円)と推定している。具体的な所有資産(不動産や投資など)の内訳は公開されていないが、これはF1というトップカテゴリーで戦い続けた実績に裏打ちされた数字である。
レギュラー時代(2021〜2025年)の収入が資産のベース
この総資産の大半は、2021年から2025年までの5シーズンにわたるレギュラードライバーとしての年俸によって築かれたものだ。ルーキーイヤーの約50万ドルから始まり、2025年には約200万ドルまで順調に昇給を果たした。税金や各種手数料、高額な生活費を差し引いても、500万ドルという資産額は極めて現実的な水準である。現在のリザーブ報酬による資産増加のペースは緩やかになったものの、再びフルタイムのシートを獲得できれば、この数字は一気に跳ね上がるだろう。
リザーブ最高額を正当化する2026年の活躍と特殊な契約
レッドブル陣営「4つのシート」をカバーする重責
現在の角田は、レッドブルとレーシングブルズの両チームにまたがるリザーブドライバーである。つまり、マックス・フェルスタッペン、アイザック・ハジャー、リアム・ローソン、そしてアービッド・リンドブラッドという4名のアクシデントに単独で備えるという、非常に重要な役割を担っている。
2つのチームをカバーしているが、契約上は1つの仕事(1つのリテーナー)として扱われている。なお、レーシングブルズには岩佐歩夢もリザーブ兼開発ドライバーとして籍を置いているが、実際にシートが空いた際に声がかかったのは経験豊富な角田だった。
なぜ角田はリザーブドライバーとして高く評価されるのか?
彼のリザーブ基本給(最大80万ドル)がトップクラスである理由は明確だ。
- 5年のフルタイム経験: 2021〜2025年まで全戦を戦い抜いた実績。
- 即座の対応力: 準備期間が短い急な代役要請にも応えられる実力。
- 新人ドライバーとの給与バランス: レーシングブルズの新人リンドブラッドの基本給(50万〜100万ドル)と比較しても、経験豊富な角田のバックアップ要員としての価値は決して低くない。
オランダ・イタリア・スペインでの代役出場劇
2026年8月、アイザック・ハジャーの手首の負傷により、レッドブル陣営の体制は急遽変更された。ローソンがレッドブルへ昇格し、角田はローソンが乗っていたレーシングブルズのシートに座り、新人リンドブラッドとタッグを組むこととなった(これは奇しくも2025年の逆の構図である)。

オランダ、イタリア、スペインの3レースに出場した角田は、11位、10位、14位でフィニッシュ。特にモンツァ(イタリアGP)では見事にポイントを獲得し、自身の価値を改めてパドックに見せつけた。アゼルバイジャンGPでハジャーとローソンが本来のシートに復帰したことに伴い、角田は再びリザーブ任務へと戻っている。
2027年以降のF1レギュラーシート獲得の可能性は?
現在のところ、角田裕毅には2027年のF1レギュラーシートの保証はない。彼のリザーブ契約はあくまで2026年シーズンを対象としたものであり、両チームから契約満了日や今後の価値に関する正式な発表は出されていない。
角田自身は同年3月の『Formula1.com』のインタビューに対し、「フルタイムでのレース復帰に飢えている」と語っている。しかし、代役として3戦に出場して結果を残したとはいえ、それがそのまま来季の契約を意味するわけではない。
F1という厳しい世界において、一度失ったシートを取り戻すのは容易ではない。だが、2026年の急な代役参戦でポイントを獲得した「確かな腕」と「豊富な経験」は、来季のシートを探す他のF1チームにとっても魅力的に映るはずだ。


